クリーン モビリティへの道

現在、世界の都市には42億人もの人々が暮らしています。延々と続く都市化は新たな課題を生み出し、持続可能なモビリティへの変革が求められています。その中心的な役割を担うのが、人とモノの輸送を脱炭素化するゼロエミッションのエレクトロ モビリティです。インフィニオンは、パワー半導体と制御ICの充実した製品ラインアップによって、あらゆるタイプの電動車両の大量市場投入を加速しています。また、先進的な充電インフラ、再生可能エネルギーの効率的な生成と利用、クリーン モビリティを実現する可能性を秘めたグリーン水素に関する技術ソリューションにも継続的に取り組んでいます。

小型自動車やトラック、飛行機、船舶、列車、それらを支えるインフラからのCO2排出量は、世界の排出量の中で最も急速に増加している排出源の1つであり、2030年には第3位となると予測されています。この排出量は、現時点で世界の排出量のほぼ4分の1を占めている状態です。その約75%は道路運送車両によるもので、その半分近くが乗用車とバスから発生しています。だからこそ、再生可能なグリーン エネルギーを動力源とするエレクトロモビリティを中心に、徹底した脱炭素化が求められているのです。

電気自動車の航続距離の延長もさることながら、電動モビリティを大きく進化させる鍵は、それを支える充電インフラが握っています。現在一般的な電気自動車は、10分以内にバッテリー容量の約80%まで充電することができます。内燃機関を搭載した従来の自動車を給油するのに必要な時間とあまり変わりません。近年、産業界や地域社会が、世界中に充電ステーションの密なネットワークを構築するために努力しています。

インフィニオンはて、エネルギー効率の高い直流電圧 (DC) 急速充電スタンドを設計する企業をサポートしています。電力変換、マイクロコントローラー、安全性、補助電源、通信に至るまで、あらゆる製品をワンストップで提供しているため、企業はすぐに実装可能な製品およびデザインの包括的なポートフォリオを利用することができます。

同時に、電気自動車と電力網の統合が進むことで別の機会も生まれています。双方向のオンボード充電器 (OBC) が普及すれば、最終的にはすべての電気自動車がスマート グリッドに統合されるかもしれません。それは自動車は電源化を意味し、必要なときにクリーンなエネルギーを供給することができるようになります。

モビリティは、再生可能な資源から生成されるエネルギーによってのみクリーンにとなります。風力や太陽光で発電された電気で動く電気自動車だけが、ネット ゼロ経済に貢献するのです。インフィニオンはこの点において重要な役割を担っています。インフィニオンの半導体は、発電、蓄電、配電から、電気自動車、eバイク、eスクーター、ラストマイル配送用のeバンなどにおける高効率のエネルギー消費まで、エネルギー チェーン全体に役立っています。