インフィニオンとReality AI社、自動車に聴覚を与える 先進的なセンシング ソリューションを開発、交通安全性を向上

2021年5月18日、ミュンヘン (ドイツ)

インフィニオン テクノロジーズ (FSE: IFX / OTCQX: IFNNY) は、米国 Reality AI社と共同で、自動車に聴覚を与える先進的なセンシング ソリューションを開発したことを発表しました。今日の先進運転支援システム (ADAS) は、カメラやレーダー、ライダーをベースにしています。そのため、システムが認識できる対象物はこれらセンサーが検知可能な範囲内にある必要があり、緊急車両などの接近を検知するのは困難です。緊急車両は目で見るよりもずっと早い段階で音で認識できるのですが、これはすなわちADASで検知できるまでの時間が長くなるということです。新しいセンシング ソリューションは、既存のセンサーシステムにXENSIV™ MEMSマイクを追加することで、コーナーの死角に隠れている移動物体や、まだ遠くて見えない緊急車両などの接近を警告することができるようになります。

この新しいセンシング ソリューションは、XENSIV™ MEMSマイクをベースに、AURIX™マイクロコントローラ (MCU) とReality AI社のAutomotive See-With-Sound (SWS) システムを組み合わせたもので、インフィニオンのプライベートイベントであるInfineon Virtual Sensor Experience 2021 (英語のみ) で展示しています。本システムは機械学習に基づいたアルゴリズムによって、ドライバーから見えない、またはADASのセンサーで検知できない緊急車両や自動車、その他道路を通行するものを検知することができます。また機械学習により、国によって異なる緊急車両のサイレンを世界中のあらゆる場所で認識することができます。

車載品質準拠のXENSIV™ MEMSマイク IM67D130Aは、動作温度範囲をマイナス40℃から105℃に拡大しており、過酷な車載環境でのさまざまな使用を可能にしました。また、低歪率 (THD) と130dB SPLの高い音響オーバーロードポイント (AOP) により、大音量の環境下でも歪みのない音声信号を取り込むことができます。これにより、サイレン音が高い背景音や風切り音に隠れていても、信頼性の高い分類が可能になります。音声ベースの本センシング技術は、道路状況のモニタリングや損傷の検出、予知保全などの車載アプリケーションの実現も可能にします。

Reality AI社のソフトウェアで行う音声信号処理は、複数の車載アプリケーションで広く使用されているインフィニオンのAURIX™ MCU TC3xファミリーを使用しています。このスケーラブルなMCUファミリーは、ISO26262 2018規格に準拠したASIL-Dまでの機能安全とEVITA Fullセキュリティを備え、1～6コアおよび最大16MBのフラッシュを搭載しています。AURIX™ TC3xは、XENSIV™ MEMSマイクをADASシステムに実装するための性能と柔軟性を提供します。

供給状況

XENSIV™ MEMSマイクIM67D130Aは、PG-LLGA-5-4パッケージで提供されます。詳細はインフィニオン Webサイトをご覧ください。本ソリューションは、Infineon Virtual Sensor Experience 2021でデモ実演が行われています。

Infineon Virtual Sensor Experience 2021

「Sensing the world with XENSIV sensor solution」 ― スマート化が進む今日の世界では、センサーは接続性や応答性、直感性に優れたシステム設計における最も重要なコンポーネントの一つとなっています。一方で、センサーを搭載したシステムの普及が進むにつれ、デザインごとにニーズが明らかに異なるため、より広範で差別化された製品が求められています。特定のシステム向けに信頼性やセキュリティのニーズに完璧に適合するセンサー ソリューションを見つけるのは困難です。本バーチャルイベント (英語のみ) では、このようなニーズに応える豊富で拡張性の高いXENSIV™センサー ポートフォリオをご紹介しています。イベントの詳細は こちらをご覧ください。