インフィニオン、車載レーダー向けに高性能、拡張性、信頼性を備えたCMOSトランシーバーMMIC「RASIC™ CTRX8181」を発表
インフィニオン、車載レーダー向けに高性能、拡張性、信頼性を備えたCMOSトランシーバーMMIC「RASIC™ CTRX8181」を発表
2022年11月3日、ミュンヘン (ドイツ)
自動運転支援システムの向上と将来の自動運転へのカギを握るのは、高性能で信頼性の高いレーダーモジュールです。横断する二輪車に反応する衝突被害軽減ブレーキ (AEB) などの新機能は、より高いレーダー性能と1台あたりより多数のモジュール数を必要とします。NCAPプログラムと法規制がこの分野の成長を推進しています。
インフィニオン テクノロジーズ (FSE: IFX / OTCQX: IFNNY) は、15 年以上にわたって市場をリードし、レーダー用モノリシックマイクロ波集積回路 (MMIC) のトップメーカーとなっています。インフィニオンはトランシーバー集積 (送信機+受信機のワンチップ化) のパイオニアであり、2009年にはSiGeをベースにした世界初の77GHz車載レーダーチップを発表しています。インフィニオンの製品は、短距離レーダー (コーナーレーダー) からフロントレーダーのプレミアムセグメントに至るまで、すべての市場セグメントに対応しています。
本日、インフィニオンは RASIC™ CTRX8181 トランシーバーを発表しました。この次世代レーダーは、28nm CMOS 技術に基づく新しい 76~81 GHz レーダー MMIC シリーズの最初の製品です。このトランシーバーは、信号対雑音比 (S/N比) と直線性が向上しており、システムレベルの高い性能と耐障害性を実現します。さらに、使いやすさに加え、コーナー、フロント、ショートレンジなどの異なるセンサーに対応するスケーラブルなプラットフォームアプローチと、新しいソフトウェア定義車両(Software-defined-vehicle, SDV)アーキテクチャーに対応する柔軟性を同時に提供します。これにより、開発コストを抑えながら77GHz車載レーダーアプリケーションを実現することができます。
インフィニオンのオートモーティブ事業部レーダーMMIC担当プロダクト マーケティング責任者のトーマス ルチア (Tomas Lucia) は「新しいCTRX8181トランシーバーは、オートバイや自転車、歩行者など交通弱者の保護に必要な、信頼性の高い物体分離と検出を可能にします。RF性能の向上は、レベル4までのすべてのSAEレベルに対応した信頼性の高い運転支援および自動運転機能の展開を成功させるための必須条件です」と述べています。
CTRX8181は、最新のISO26262安全規格に準拠して開発され、4つの送信チャンネルと4つの受信チャンネルを備えています。このデバイスは優れたS/N比を提供し、標準的な検知距離を最大25%拡大します (例:250mから300m以上)。また、RFチャンネル数の増加と直線性の向上により、垂直または角度の分解能が33%向上し、車の隣にいる歩行者など異なる対象物をより正確に分離することができます。これらの特徴は、コーナーレーダーから高解像度レーダーまで、あらゆるアプリケーションに対応するレーダーモジュールの開発に貢献しています。
デジタル位相同期ループ (PLL) を内蔵することで、より優れた距離分解能と超高速フライバック時間を実現し、現在のベスト ソリューションと比較して4倍に向上しています。この新機能により、消費電力が削減され、同じような速度の物体を分離するのに必要な、より高精度な速度情報の取得が可能になります。また、位相ノイズを犠牲にすることなく、完全に自由にランプを設定できるため、さまざまなシナリオでレーダーを堅牢で信頼性の高いものにすることができます。これにより、コンパス方式のような干渉に強い周波数方式に完全に対応できるようになりました。
この新しいCTRX製品ファミリーは、インフィニオンのレーダー専用AURIX™マイクロコントローラー (MCU) TC3xおよび次世代TC4xとの組み合わせが最適です。この2つは、信号処理ユニット (SPU) とオンチップ プログラム コード ストレージ用不揮発性メモリを統合したものです。AURIX™チップセットとCTRXは、将来のNCAPや、悪天候下でのレーダー機能の信頼性向上など、実環境に即した最高のパフォーマンスを実現します。
システムの分割により、ベンダーはレーダー内で完全な処理を行う従来のソリューションを柔軟に提供できるだけでなく、前処理されたデータを100 Mbit/sまたは1 Gbit/sのイーサネット上でストリーミングするなど、最小限の労力で異なるアーキテクチャーを実現することも可能です。また、この分割により、ターゲット アプリケーションに適したMMICとマイクロコントローラーを選択することができ、さまざまなコストと性能要件をサポートするためのスケーリングを容易に行うことができます。MCUとの接続はLVDSまたはCSI-2経由で行われ、より柔軟にコンポーネントを組み合わせることが可能です。
供給体制について
新しいCMOS MMIC CTRX8181トランシーバーのエンジニアリング サンプルは入手可能です。また本製品はミュンヘン (ドイツ) で開催されるelectronica 2022で発表されます。詳細な情報は、 www.infineon.com/rasic。
インフィニオンのエネルギー効率への貢献については、インフィニオンの「エネルギー効率」の Webサイトをご覧ください。
Information Number
INFATV202211-017j
Press Photos
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The improved signal-to-noise ratio and linearity of Infineon’s RASIC™ CTRX8181 transceiver provides high system-level performance and resilience. It enables a reliable object separation and detection necessary for protecting vulnerable road users including motorcyclists, cyclists or pedestrians. In addition, the radar transceiver offers a scalable platform approach for different sensor including corner, front and short range, along with flexibility for new software-defined-vehicle architectures.CTRX_application
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The improved signal-to-noise ratio and linearity of Infineon’s RASIC™ CTRX8181 transceiver provides high system-level performance and resilience. It enables a reliable object separation and detection necessary for protecting vulnerable road users including motorcyclists, cyclists or pedestrians. In addition, the radar transceiver offers a scalable platform approach for different sensor including corner, front and short range, along with flexibility for new software-defined-vehicle architectures.CTRX
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