E/Eアーキテクチャ ゾーンコントローラー
新次元を切り拓くE/Eアーキテクチャの変革
自動車のE/Eアーキテクチャが中央集中型制御へと移行しつつあるのを受け入れ、インフィニオンのスケーラブルゾーンコントローラーのソリューションで設計に変革をもたらしましょう。
電源分配 (PD) システムと車載ネットワーク (IVN) で構成される従来のE/Eアーキテクチャは、主にゲートウェイで接続されたドメイン構成になっています。しかし、ソフトウェアデファインドビークル (SDV) のトレンドや、ワイヤーハーネスの最適化によって、セントラルコンピューターを用いたゾーン アーキテクチャへと移行が進んでいます。
この新しいアーキテクチャでは、電源分配 (PD) は電子化され、従来のリレーやヒューズボックスの機能はゾーンコントローラー内に分散されます。これと並行して、データおよび信号分配用の車載ネットワーク (IVN) は、中央演算処理装置、ゾーンコントローラー、エンドポイントを備えた階層的なレイヤー構造へと移行します。
分散型の電源分配 (PD) と中央集中型の車載ネットワーク (IVN) は、複数のECU機能をいくつかのゾーンコントローラーに集約し、電源分配、ゲートウェイ、負荷制御機能などを搭載しています。 インフィニオンは品質への取り組みによって、この変革に合わせて先進的なチップセットをカスタマイズしており、シームレスな統合を実現し、ゾーンアーキテクチャの技術的、商業的な可能性を最大限に引き出します。
革新的な半導体技術で完全なチップセットソリューションを実現
機能の統合が進むのと共に、ゾーンコントローラーの複雑さは増大し続けています。 インフィニオンはリレーやヒューズからの置き換え、ECU設計、機能安全ECU開発における20年以上の専門知識を活かして、広範なシステム知識とサポートを提供しています。 技術文書やツールをご利用いただけば、設計が容易になり、市場投入までの時間を短縮できます。
例:
- リレーやヒューズからの置き換えをサポートするアプリケーションノートやホワイトペーパー
- Arduino互換シールドで簡単にデバイスを評価
- デザインインツールやシミュレーションモデルでバーチャルなプロトタイプ作成やシステム評価が可能
- エキスパートが質問に回答したり、役に立つフィードバックをするフォーラム
拡張と柔軟性が高い製品ファミリーを最新のゾーンコントローラーに搭載
ゾーンコントローラーの設計には、拡張性と柔軟性のある半導体チップセットソリューションが求められます。具体的な要求は、機能集約の程度、ゲートウェイ通信インターフェースおよびプロトコルの多様性、関連する性能要件、負荷制御用の出力バリエーション数によって異なります。インフィニオンは、あらゆる種類のゾーンコントローラーに適合するモジュール設計ができるように拡張可能な製品ファミリーを提供しています。
例:
- 複数の製品ファミリーでの電源供給および通信用の個別および統合電源ソリューション
- 性能、メモリ、周辺機器、安全とセキュリティの実装に関する、スケーラブルで柔軟なMCUファミリー
- メモリ容量の最適化をする補助NORフラッシュソリューション
- 共通のフットプリントとインターフェースをもつピン互換パッケージに幅広い機能を備えたスマートパワー製品ファミリー
- ソフトウェアサポートを含む、低集積から高集積までのスケーラブルなMOTIX™品ファミリーによるモーター制御
- スイッチとしてゲートドライバーと組み合わせるか、MOTIX™と組み合わせてモーター制御を行うスケーラブルなMOSFETファミリー群
制御機能を集約することでユニット数が削減できると同時に、センサーデータ、電子機能、ネットワーク機能が増加しているため、ゾーン制御ユニットの接続要件は大きく増えています。このことはゾーンコントローラー向けマイクロコントローラーあたりの演算能力の向上が求められていることを意味し、エンドポイントへのインターフェースも大幅な増加が必要です。場合によっては、車内ネットワーク通信対応のマルチギガビットのインターフェースが必要になることもあります。インフィニオンのマイクロコントローラーはこうした課題に対応し、車載用マイクロコントローラーを安全かつセキュアな処理用に使用する点において新たな基準を打ち立てています。従来の車載用低速インターフェースから高速なマルチギガビット イーサネット インターフェースまで、幅広い接続オプションを提供しています。
自動車における電気エネルギーの最適な送電と利用オプション
先進運転支援システム (ADAS) 、自動運転 (AD) 機能、セントラルコンピューター、電動パワーステアリング、インフォテインメント、電動ブレーキ、ブレーキバイワイヤなど、車内での電力需要の増加により、自動車の12 V電源分配システムは限界に達しようとしています。そのなかでも接触保護に対するISO 6469-3の規制枠組み内で電気エネルギーを送電/利用するための、最も効率的で適合性のあるアプローチとして48V配電システムの採用が浮上しています。
このアプローチは、効率性、電力損失、ワイヤーハーネスの最適化の大幅な改善によりシステム全体を大幅にコスト削減しようとする、車単位の総合的な取り組みについての議論を活発にしました。このことは部品コスト、重量、複雑さ、ルーティング、製造、組み立てなどの側面をカバーしており、包括的な48V適用のアプローチで達成可能なものです。
12Vから48Vへの移行が考えられるアプリケーションが増えていくと、二次電源分配を備えた自動車用ゾーンコントローラーに対する要求は大きく変化します。インフィニオンは、上位互換性のあるシステム設計とそれに続く48 V製品のラインナップで、このトレンドに対応しています。
先進的な自動車システム向けプレミアムサービス
プレミアムサービスは、インフィニオンの強みである分野を幅広く網羅しており、業務効率の向上、欠陥ゼロの考え方、災害およびリスク管理計画、グローバルな顧客サポートおよびディストリビューター、システム能力チーム、最高レベルの車載用認定規格などが含まれます。
対応規格の例:
- AEC-Q 100/101認定、優れた短絡耐量、きわめて低いフィールドリターン不良率(ppb)
- 過酷な環境での使用に適したグレード0認証を取得した製品ファミリーの拡充
- ISO準拠の文書や開発により、ASIL BからASIL Dまでをサポートする安全重視のアプリケーション向け製品ファミリー
- スマートパワースイッチとコントローラーは、自動運転実現に向けた重要なパートナーであるだけでなく、現在の自動車メガトレンドの基礎となる機能のひとつでもあります。
- 電力供給や配電、過大な電流や温度から機器を保護する上で欠かせない存在です。