BGT60LTR11SAIP XENSIV™ 60GHz モーションセンシング用の初の完全自律型レーダーセンサー
BGT60LTR11AIPレーダーセンサーのスペックダウン版です。自律モードでは標準/最大検出範囲5 / 7メートルですが、本チップでは4 / 6 mになります。動作温度範囲は-20℃〜+85℃から-10〜+70℃に下がっています。
BGT60LTR11SAIP MMICは、アンテナ内蔵パッケージ (AIP) に加え、動作検出器と動作方向検出器を内蔵した完全統合型のマイクロ波モーションセンサーです。ステートマシンにより、外部マイクロコントローラーや信号処理なしで、デバイスを自律的に動作させることができます。MMICは4つのクアッドステート入力ピンを持ち、自律モードでも性能パラメータに柔軟性を持たせています。検出閾値(感度) は16段階あり、人間を標的にした一般的なレーダー反射断面積 (RCS) で0.5 mから6 mまでの検出範囲を設定可能です。また、自律モードでは、0.1秒から30分まで検知状態を保持できるよう、保持時間を16段階に設定できます。本デバイスは、調整可能なデューティーサイクルにより、2mW以下の消費電力を実現します。
小型のMMIC (3.3 × 6.7 × 0.56-mm³) にはアンテナが内蔵されています。これによりユーザー側でのアンテナ設計の複雑さを解消し、PCBは標準のFR4基板で設計することができます。
こうした特徴により、低消費電力またはバッテリー駆動のアプリケーションにおいて、この小型ソリューションは従来の人感センサーに代わるスマートでコスト効率の高い製品となっています。さらに、BGT60LTR11SAIPは、低消費電力、プライバシー保護、スマートデバイスのユーザー体験の向上など、スマートな存在検知のメリットが活用可能なさまざまなアプリケーションに対応しています。
特長
- パッケージサイズ: 3.3 x 6.7 x 0.56 mm³
- 送信アンテナ1、受信アンテナ1、アンテナ内蔵パッケージ (AIP)、電力半値幅90°(HPBW)
- モーション検出器内蔵
- 動作方向検出器内蔵
- 完全自律動作モードなどの複数動作モード
- 検出感度、ホールド時間、動作周波数などの性能パラメータを調整可能
- 標準的なFR4材を使用したPCB設計が可能
利点
自律モード:
- 人体検知距離最大6m
- 2 mW以下の消費電力が可能
- 必要な外部回路は最小限
SPIモード:
- SPIの設定、信号処理の追加により高度な機能性が向上
- 標的が人間の場合、最大14 mの検出範囲
- マイクロコントローラーユニット (例: Arm® Cortex®-M0) が必要
- サーモスタット、煙感知器、スマートスピーカーおよび他のエンターテイメントシステムなどのスマートビルディングおよびスマートホームデバイス
- サービスロボット、掃除機、芝刈り機、洗濯機、およびキッチン家電などのスマート家電 (小型および大型家電)
- IPカメラを含むスマートホームセキュリティおよびアラームシステム
- テレビ、ノートパソコン、タブレットなど、画面ベースのシステム
- 照明システムおよび照明制御 (主に屋内照明)
- ルームエアコン
- ドアとゲートの自動開閉システム
- スマート入室カウンタソリューション
- 非接触スイッチ
- マルチコプターおよびドローン