ワイドバンドギャップ半導体

ワイドバンドギャップ (WBG) 半導体はバンドギャップ値が大きく、従来の半導体とは大きく異なっています。バンドギャップとは、半導体の価電子帯上端と伝導帯下端の間のエネルギー差のことを示します。ワイドバンドギャップ半導体パワーデバイスは、バンドギャップが大きいことで、より高い電圧、温度、周波数での動作が可能になります。

窒化ガリウム (GaN) や炭化ケイ素 (SiC) などのワイドバンドギャップ半導体材料は、次世代の効率的な電力変換スイッチに理想的な選択肢です。しかし、材料ごとに他の材料にはない利点があります。たとえば、炭化ケイ素のパワー半導体は、650V以上のアプリケーションにおいて電圧ブロッキングに優れた効果を発揮し、電圧が高くなるほどその効果が高くなります。

高エネルギー効率の世界を実現するのには、電力効率の向上、小型化、軽量化、総コストの削減、もしくはそれらすべてを可能にする、こうした新しいワイドバンドギャップ パワー エレクトロニクス材料の使用が、次のステップへの重要な鍵になります。

インフィニオンは、シリコン (Si)、炭化ケイ素 (SiC)、窒化ガリウム(GaN) を使用したデバイスなど、最も幅広い製品と技術ラインアップを提供しています。インフィニオン テクノロジーズは、SiC およびGaNの技術開発において20年以上の実績を持つトップ パワーサプライヤーとして、さらにスマートで効率的なエネルギーの生成、伝送、消費ニーズに応えています。インフィニオ ンテクノロジーズの専門家は、システムの複雑さを軽減するのに何が必要なのかを理解しており、低/中/高出力システムのシステムコストとサイズの削減に貢献しています。

ワイドバンドギャップ半導体の利点は数多くあります。たとえば、ワイドバンドギャップ半導体による電子機器の高効率化は、電力密度の向上、小型軽量化につながり、結果的にシステム全体のコストを削減します。

パワーエレクトロニクスにワイドバンドギャップの半導体デバイスを使用することで、スイッチング周波数を向上することができます。この点は、究極の電力密度が求められる場合、きわめて重要です。GaNのワイドバンドギャップ半導体は、高周波でもゲートの総電荷量が少なく、電圧閾値も約1.5Vと低いため、ゲート駆動電力はmW程度に抑えられます。

ワイドバンドギャップ半導体製品のソリューション

インフィニオンのパワーエレクトロニクス製品用ソリューション向けの高効率ワイドバンドギャップ半導体デバイスは画期的です。インフィニオンの時代の先端をいく画期的な技術は、高性能なワイドバンドギャップ半導体材料を採用し、インフィニオンのCoolSiC™を搭載しています。さらに、インフィニオンのCoolGaN™ソリューションは、ディスクリートソリューションとしても、統合パワーステージソリューションとしても使用できます。

炭化ケイ素 (SiC) は、3電子ボルト (eV) の広いバンドギャップと、シリコンに比べてはるかに高い熱伝導率を持っています。SiCを使用したMOSFETは、高周波で動作する高耐圧、高出力のアプリケーションに最適です。RDS(on)などの炭化ケイ素パワー半導体デバイスのパラメータは、温度による増加がシリコンに比べて少ないため、ワイドバンドギャップパワーエレクトロニクスの設計において、より狭いマージンや、より高い温度での作業が可能となり性能向上が期待できます。インフィニオンのCoolSiC™ソリューションは、実績ある高品質な大量生産により、革新的な技術と業界標準となる高い信頼性を併せ持ち、現在から未来に向けてお客様の成功をサポートしています。 >詳しくはこちらをご覧ください

GaNは、SiCよりもさらに高いバンドギャップ (3.4 eV) と大幅な電子移動度があります。シリコン(Si)に比べて、絶縁破壊電界は10倍、電子移動度は2倍です。また、出力電荷、ゲート電荷ともにSiの10分の1に低減し、高周波動作の鍵となる逆回復電荷もほぼゼロとなっています。GaNワイドバンドギャップ半導体パワーデバイスは、最新の共振トポロジーに採用されている技術であり、新しいトポロジーや電流変調など新しいアプローチをも可能にしています。

インフィニオンのGaNソリューションは、市場で最も堅牢で高性能なコンセプトであるエンハンスメントモード (eモード) コンセプトに基づいており、高速なターンオンおよびターンオフを実現します。 CoolGaN™の窒化ガリウム製品は高性能と堅牢性にフォーカスすると同時に、サーバーテレコムワイヤレス充電アダプター充電器、オーディオなど、幅広いワイドバンドギャップ半導体アプリケーションにおいて、様々なシステムに大きな価値を付加しています。CoolGaN™スイッチは、インフィニオンのシングルチャネルおよびデュアルチャネル、絶縁型および非絶縁型のEiceDRIVER™ゲートドライバICの幅広い製品ラインアップを使用し、使いやすく、設計も簡単です。 >詳しくはこちらをご覧ください

EiceDRIVER™ SiC MOSFETゲートドライバーICは、SiC MOSFET、特に超高速スイッチングのCoolSiC™ SiC MOSFETの駆動に最適です。緻密な伝搬遅延マッチング、高精度の入力フィルタ、広い出力側電源範囲、負のゲート電圧駆動能力、アクティブ ミラー クランプ、DESAT保護、拡張CMTI機能など、SiC駆動に最も重要な主要機能とパラメータを備えています。>詳しくはこちら

Infineon image wide bandgap semiconductors Si-Sic-GaN

ワイドバンドギャップ半導体デバイスは、さまざまなアプリケーションに大きな電力効率をもたらします。インフィニオンの革新的なワイドバンドギャップ半導体の製品ラインアップは、民生用アプリケーションである充電器やアダプター、EV充電、テレコム、SMPS、ソーラー、産業用アプリケーションのバッテリー フォーメーション、さらには車載用アプリケーションのオンボード充電、高電圧から低電圧へのDC-DCコンバーターなどに使用される最先端エレクトロニクスに対応しています。

高品質で高効率な製品を提供するインフィニオンは、パワフルで革新的な半導体技術を開発し、市場に提供するグローバルリーダーです。インフィニオンのきわめてコンパクトで効率的な設計は、シリコン (Si)、シリコンカーバイド (SiC)、窒化ガリウム (GaN) を使用したデバイスの幅広い製品ラインアップと技術ポートフォリオで提供されており、お客様の独自のアプリケーション要件にもっとも適したソリューションを提供しています。

GaN半導体、SiC半導体、Si半導体にはいくつかの違いがあります。まず、現在のGaN半導体は、80Vから650Vまでの電圧をターゲットとし、最高のスイッチング周波数で中容量の製品になります。GaN半導体もSiC半導体も、最大電力密度での効率が非常に高く、Siベースの半導体よりもスイッチング損失が少なくなります。

GaNとSiCのパワーエレクトロニクス半導体の違いについては、横型トランジスタであるGaNに比べて、SiCパワー半導体は縦型トランジスタの概念を採用しており、ゲート酸化信頼性に優れ、使い勝手が良く、非常に堅牢です。

GaNとSiCは、アプリケーションのソリューション空間に異なる強みをもたらします。しかし、その利点はアプリケーションによって異なります。たとえば、高出力ストリング インバーターのような高温、高電圧のアプリケーションに関しては、炭化ケイ素が優れています。高温性能については、低い温度係数と高い遮断電圧性能がもっともアプリケーションの要求を満たしています。

究極の電力密度を実現するには、GaNが優れています。特に、建設量が非常に限られているアプリケーション、たとえばデータセンターのスイッチモード電源のように、一定スペースで電力レベルが増加する場合に当てはまります。この場合、効率と高いスイッチング周波数が組み合わされ、他の技術では到達できない次のレベルへとアプリケーションを押し上げることができます。

トレーニング、ウェビナー

ワイドバンドギャップ半導体用低インダクタンスパッケージの利点

Infineon training low inductance package for WBG semiconductors

このeラーニングを視聴すると、次のことを学べます。

  • パッケージ インダクタンスについての理解
  • ワイドバンドギャップ トランジスタがパッケージ インダクタンスの影響を受けやすい理由について
  • インダクタンスの低いインフィニオンのパッケージタイプの特定

インフィニオン オンデマンド ウェビナー Si、SiC、GaN?

Infineon's training webinar SiC GaN

ウェビナーでは、高出力および低出力アプリケーションにおける、シリコンとSiCおよびGaNのパワーデバイスの技術的な位置づけについて詳しく説明しています。

Si|SiC|GaN AC-DCアプリケーションにおける位置づけ

Infineon training Si, SiC and Gan positioning

インフィニオンは、3つの主要なパワー半導体技術のすべてにおいて、信頼できる専門知識を提供します。AC-DCアプリケーションでの位置づけをチェックしてみましょう

Bi-directional converters using WBG

Infineon training Bi-directional converters using WBG

Understand why to use WBG switches for bi-directional converters, the topologies used and how they function.

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