インフィニオン テクノロジーズ、インターナショナル・レクティファイアーを1株当たり40米ドル、総額約30億米ドルの現金にて買収
- この買収により高度に補完的かつ革新的な製品ポートフォリオ、流通面での強さ、および地域プレゼンスのさらなる強化が実現。
- パワー半導体分野でのインフィニオンの専門知識を補うと共に電力変換分野でのシステム関連のノウハウが加わり、また化合物半導体(シリコン上窒化ガリウム)に関する知識を拡大し、生産面ではより大きな規模の経済効果を実現。
- International Rectifier社(以下、インターナショナル・レクティファイアー)の発行済み全株に対し、直近3か月の同社平均株価に対しては約47.7%のプレミアム、2014年8月19日の同社終値に対しては約50.6%のプレミアムとなる1株当たり40米ドルの現金を支払い。
- 買収が完了した会計年度内のプロフォーマEPSに対して買収による押し上げ効果を予想、利益率への貢献は、遅くとも買収完了後2年目の会計年度には、インフィニオンの平均サイクル目標値である15%を達成する水準かまたはそれ以上となる見込み。
- 買収資金は追加の借入と手持ち現金によって行うわれインフィニオンの資本構造はさらに最適化。
2014年8月20日、ミュンヘン(ドイツ)およびカリフォルニア州セグンド
インフィニオンテクノロジーズとインターナショナル・レクティファイアーは本日、インフィニオンがインターナショナル・レクティファイアーを1株当たり40米ドル、総額約30億米ドルの現金にて買収する最終的契約を締結したと発表しました。この買収によりパワーマネジメント技術のリーダーとして位置付けられる2つの半導体企業の合併が実現します。インターナショナル・レクティファイアーを組み込むことによってインフィニオンはそのポートフォリオを補完すると共に、さらに幅広い革新的な製品とサービスをお客様に提供できるようになります。また規模の経済や地域プレゼンスの拡大にも貢献します。
インフィニオンのラインハルトプロス(Dr. Reinhard Ploss)(CEO)は、次のように述べています。「インターナショナル・レクティファイアーの買収は他に得難い機会です。お客様ごとのニーズやアプリケーションを深く理解するインターナショナル・レクティファイアーの社員による、製品開発からシステムに関する理解、システムソリューションに至るまでのインフィニオンの戦略的開発への寄与を期待しています。インフィニオンとインターナショナル・レクティファイアーがそれぞれ製品、技術、イノベーションに関して持つ卓越したノウハウと流通面での強みが組み合わさることにより、大きな可能性が生まれるものと期待しています」
インターナショナル・レクティファイアーのオレグ ハイキン(Oleg Khaykin)(社長兼CEO)は、次のように述べています。「この買収によって弊社株主の皆様に大きな価値がもたらされると共に、両者のお客様と社員には新たな戦略的機会が得られます。パワーマネジメントに関して互いに補完的なソリューションを持つ2社の統合を通じ、インターナショナル・レクティファイアーにはインフィニオンの製品と技術、製造、および運営に関する卓越したノウハウ、ならびにR&Dの規模拡大といったメリットが得られます。」
この買収はインターナショナル・レクティファイアー社取締役会とインフィニオン監査役会により承認されています。買収完了には複数の司法管轄区における各種許認可の取得、ならびにインターナショナル・レクティファイアー社株主からの承認が前提となります。許認可の状況によりこの買収は2014暦年末または2015暦年初めに締結する見込みです。
この買収に伴い、買収が完了する会計年度にはすでに1株当たりプロフォーマ利益(プロフォーマEPS)の押し上げ効果が見込まれます。それ以降にもインターナショナル・レクティファイアーがすでに進めている事業再編を基盤とし、シナジー効果による大きな利益押し上げを期待しています。インターナショナル・レクティファイアーによる利益率への貢献は、買収完了後2年目の会計年度には、少なくともインフィニオンが各期を通じて目標とする事業部利益率15%に即したものとなる見込みです。したがってインフィニオンは各期を平均した事業部利益率目標を引き続き15%に維持します。
この買収契約の条件に基づき、インフィニオンはインターナショナル・レクティファイアーのすべての発行済み株式について1株あたり40米ドルを支払い、完全希薄化後の同社の企業価値は約24億米ドルとなります。この買収価格は直近3か月の同社平均株価に対しては約47.7%のプレミアム、2014年8月19日の同社終値に対しては約50.6%のプレミアムに相当します。
インフィニオンはこの買収の資金を手持ち現金と総額15億ユーロの全額保証付き融資枠によりまかないます。買収完了時点でのインフィニオンの資本構成は、先に発表した目標値であるグロス現預金売上比率30〜40%、グロス負債EBITDA比率2倍未満、および現金残高黒字の枠内に十分に収まります。
インフィニオンとインターナショナル・レクティファイアーの製品ポートフォリオの間には、互いに高度な補完性が存在します。小電力、省エネルギーのIGBTとインテリジェントパワーモジュール、パワーMOSFET、およびデジタルパワーマネジメントICに関するインターナショナル・レクティファイアーのノウハウがインフィニオンのパワーデバイスとモジュールに組み込まれ、これらの製品をさらに改良することが可能になります。
インターナショナル・レクティファイアーの買収により、インフィニオンにはシリコン上窒化ガリウム(GaN)をベースとするパワー半導体の先進的な製造ノウハウが加わります。これによってGaNディスクリートとGaNシステムソリューションに関するインフィニオンの位置付けがさらに強化されると共に、将来的に大きな成長ポテンシャルを持つこの戦略的に重要な技術を追求する能力が高まります。
この買収を通じて製品の幅も拡大し、シリコン、シリコンカーバイド、および窒化ガリウム系パワーデバイスと集積回路(IC)を包括的に提供することのできる企業が誕生します。
インターナショナル・レクティファイアーの統合により、運営経費の最適化やインフィニオンが業界をリードする300mm薄型ウエハ製造の立ち上げの加速を通じて規模の経済効果が得られます。
インフィニオンの各地域でのプレゼンスも大きく拡大、強化されます。インターナショナル・レクティファイアーは、特にインターネット関連の分野において重要なイノベーションセンターである米国に強力なプレゼンスを持ち、またアジアでのインフィニオンの位置付け強化にも貢献します。流通チャンネルとの接点も拡大するため、インフィニオンはより幅広いお客様からのニーズに応えられるようになります。
インフィニオンが持つ15億ユーロの融資枠は、インフィニオンの財務顧問であるBank of America Merrill Lynch International LimitedとCitigroup Global Markets Limitedにより全額が保証されています。International Rectifier社はJPMorganのみを財務顧問としています。インフィニオンの法務顧問はKirkland & EllisとFreshfields Bruckhaus Deringerが、インターナショナル・レクティファイアーの法務顧問はFried, Frank, Harris, Shriver & Jacobsonが務めています。
インターナショナル・レクティファイアー(International Rectifier社)について
International Rectifier Corporation(NYSE: IRF)は世界有数のパワーマネジメント技術企業です。IR社のアナログ、デジタル、および混合型シグナルID、ならびにその他の先進的なパワーマネジメント製品は、幅広いビジネスおよび消費者向けアプリケーションにおいてハイパフォーマンスのコンピューティングを実現すると共にエネルギー消費を削減します。IR社のパワーマネジメントソリューションは、コンピュータ、省エネルギーアプライアンス、照明、自動車、人工衛星、航空機、および防衛システム分野の次世代製品を支えています。インターナショナル・レクティファイアーの詳細についてはwww.irf.comをご覧ください。
インフィニオンについて
インフィニオン テクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、エネルギー効率、モビリティ、セキュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2013会計年度(9月決算)の売上高は38億4000万ユーロ、従業員は世界全体で約2万6,700人です。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米国では店頭取引市場のOTCQXに株式上場しています。
インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト:http://www.infineon.com
日本法人サイト:http://www.infineon.com/jp
Information Number
INFXX201408.056