自動運転:ZFとインフィニオン、AIアルゴリズムを利用して運転ダイナミクスのソフトウェアと制御ユニットを最適化
- ZFのAIアルゴリズムが開発を加速し、ZF製品にAIを導入
- インフィニオンのAURIX™ TC4xマイクロコントローラーに搭載する並列処理ユニット (PPU) によってAIアルゴリズムを実現
- EEmotion:ドイツ連邦経済・気候保護省が共同出資するプロジェクト
2024年9月12日、フリードリヒスハーフェン、ミュンヘン (ドイツ)
高速道路でトラックが自動的に前に追従して走行する隊列走行や、車が自動的に車線を変更するような車両の動きは、人間のドライバーの介在なしで正確かつ迅速に計算し、実行されなければなりません。ソフトウェアとAIアルゴリズムが、加速、ブレーキ、前後輪のステアリング、ダンピング システムを安全に制御します。AIアルゴリズムが効率的であるほど、利用可能な計算能力をより有効に活用できます。
ZFグループとインフィニオン テクノロジーズ (FSE: IFX / OTCQX: IFNNY) は、EEmotionプロジェクトの一環として車両ソフトウェアの開発と制御のためのAIアルゴリズムを共同で開発し、実装しました。このプロジェクトにはドイツ連邦経済・気候保護省が共同出資しています。このプロジェクトで開発し、試験車両で実証したAIアルゴリズムは、指定された運転軌道に従って自動運転中にすべてのアクチュエーターを制御および最適化します。
ZFは、既存の2つのソフトウェア ソリューションであるcubiXとEco Control 4 ACCにAIアルゴリズムを追加しました。これらは、並列処理ユニット (PPU) を内蔵したインフィニオンのAURIX™ TC4xマイクロコントローラー (MCU) に実装されています。その結果、AIアルゴリズムがより効率化され、計算能力がより活用されます。その結果運転性能と安全性が向上します。両社は、AIを使用しない従来のアプローチと比較して、そのソリューションが自動車線変更などをはるかに正確に実行できることを証明しました。アダプティブ クルーズ コントロールといった運転支援システムのエネルギー効率も向上しました。運転性能の向上が、要求される計算能力の低減と相まって、コスト効率の高いレベル2+支援システムへの道を開きます。
ZFの研究開発責任者であるトルステン ゴレフスキ (Torsten Gollewski) 氏は「当社も出資しているEEmotionプロジェクトは、当社の人工知能ベースのアルゴリズムがお客様に新たな利点を提供することを示しています。AIは、製品に新しい機能を搭載し、開発の速度と効率を上げることを可能にします」と述べています。
インフィニオンのオートモーティブ事業本部プレジデントであるピーター シーファー (Peter Schiefer) は「インフィニオンは、世界をリードする半導体製品、ソフトウェア、サービスによって、お客様が独自のAIアプリケーションを開発できるようにします。当社のAURIX™ TC4xは、その並列処理ユニットによって人工知能に不可欠なデータの高速並列処理を可能にするため、車載AIアプリケーションに最適であり、これは高度運転支援、最終的には自動運転の次の段階の到来を示唆します」と述べています。
ドイツ連邦経済・気候保護省のデジタル化およびインダストリー4.0部門長のエルンスト シュテッケル プカール (Ernst Stoeckl-Pukall) 氏は「EEmotionプロジェクトは、車両制御システムの安全性が不可欠な機能に人工知能を導入することに成功しました。これはソフトウェア側で検証され、高度な自動運転に向けたさらなる進歩を可能にします。そのため、このプロジェクトはドイツの自動車産業の革新力と競争力を強化する重要な推進力を提供します」と述べています。
AIで最適化した、ソフトウェアベースのシャーシ制御
ZFのcubiXソフトウェアは、乗用車および商用車のすべてのシャーシ コンポーネントを制御できるようにします。これには、車両の縦方向と横方向のダイナミクスだけでなく、垂直方向のダイナミクスも含まれます。加えて、Eco Control 4 ACC予測クルーズ コントロール システムは、計算集約型最適化アルゴリズムとモデル予測制御を利用した開発をさらに進めており、実際の運転条件下で8パーセントもの航続距離延長を実現します。EEmotionプロジェクトでは、開発段階早期にも適用できるAIアルゴリズムも開発しました。これにより車両ソフトウェアをより効率的に設計でき、より迅速に顧客に提供できるようになります。加速され、AIで支援された車両ソフトウェアを適用することにより、自動車メーカーはさまざまな車両モデルに適応する際に明確な利点を得ることができます。
インフィニオンのMCUがAIアルゴリズムの利用を可能に
効率的なAIベースのアルゴリズムは多くの計算能力を必要とするため、AURIX™ TC4xなどの高性能MCUに組み込むことが推奨されます。インフィニオンのAURIX™ TC4x MCUは高いリアルタイム性能を提供し、AIモデリング、仮想化、機能安全、サイバーセキュリティ、ネットワーク機能の最新トレンドを実装します。これらは、新しいE/Eアーキテクチャと、次世代のソフトウェア定義車両 (SDV) への道を開きます。AURIX™ TC4xの重要な部分は並列処理ユニット(PPU)であり、高速並列データ処理により強力なAIアプリケーションをサポートします。
EEmotionプロジェクトについて
EEmotionプロジェクトの目的は、さまざまな運転状況においてより正確な軌道制御を保証するAIアルゴリズム ベースの自動運転制御システムを開発することでした。このプロジェクトの実施には、AIベースの機能の要件定義、全体コンセプトとそれに対応するハードウェアの開発、安全性が重要なアプリケーションの制御アーキテクチャへのAI統合の開発が含まれていました。また、AIが監視するセキュアな通信の開発や、車両ダイナミクス システムの擬似開発と検証の側面も考慮しました。インフィニオンは、このプロジェクトのコンソーシアム コーディネーターを務め、総額1,040万ユーロのうち59パーセントはドイツ連邦経済・気候保護省からの資金援助によるものです。。このプロジェクトは2021年9月から2024年8月まで実施され、ZFフリードリヒスハーフェンAG、b-plus technologies GmbH、samoconsult GmbH、アーヘン工科大学、リューベック大学とパートナーシップを結びました。
ZF について
ZFは、乗用車、商用車、産業技術向けに先進的なモビリティ製品とシステムを供給する、世界的なテクノロジー企業です。その包括的な製品領域は、主に輸送およびモビリティ分野の自動車メーカー、モビリティ プロバイダー、スタートアップ企業を対象としています。ZFは幅広い車種を電動化します。同社は、その製品によって排出量の削減、気候の保護、安全なモビリティの向上に貢献しています。また、自動車部門 (乗用車および商用車) の他、建設機械、農業機械、風力発電、船舶用推進、鉄道の駆動および試験システムなどの市場分野にもサービスを提供しています。
ZFは、世界中に約168,700人の従業員を擁し、2023会計年度の売上高は466億ユーロと報告しています。同社は31カ国で162の生産拠点を有しています。
詳しい報道資料と写真については、 www.zf.comをご覧ください。
インフィニオンについて
インフィニオン テクノロジーズは、パワーシステムとIoTにおける半導体分野のグローバルリーダーであり、製品とソリューションを通じて、脱炭素化とデジタル化を推進しています。全世界で約58,600人の従業員を擁し、2023年会計度 (2022年10月~2023年9月) の売上高は約163億ユーロです。ドイツではフランクフルト証券取引所 (銘柄コード:IFX) 、米国では店頭取引市場のOTCQX (銘柄コード:IFNNY) に上場しています。ウェブサイト www.infineon.com/jp
Information Number
INFATV202409-139j
Press Photos
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ZF and Infineon have jointly developed and implemented AI algorithms for the development and control of vehicle software as part of the publicly funded EEmotion project.Logo_EEMotion
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